こんなにいろいろ追加しちゃって開発大丈夫なの?という疑問に対する私的回答

百英雄伝kickstarter、ミニマムゴールが50万ドル、家庭用ゲーム機移植決定が100万ドルという設定だったのに対し、最終日まで35時間を切った今現在、390万ドル、4億1千万円を突破してなお増加中です。
開発スタッフの村山氏が「kickstarter開始翌日に100万ドルを超えるにはどうすればいいかを話し合う会議を開く予定だったのに、その会議の時間には既に100ドルを超えていた」と言っていたほどですから、スタッフの当初の想定以上の金額が集まっていることは想像に難くありません。
モニター
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しかし、これまでにストレッチ・ゴールでたくさんの新規要素やミニゲーム、追加キャラクターが発表されたことで、「これ本当に2年とちょっとで開発できるの?」「予算大丈夫なの?」といった疑問がチラホラ出てきているのも事実。
子供だったころと違い、今ではファンの人たちも社会人が多いですから、そういう現実的な問題をついつい考えてしまうのは当然といえば当然ですよね。

こういった疑問について、あくまで私的な見解ではありますが、考察してみようとおもいます。

ローカライズの費用と手間

開発当初からローカライズは日本語の他に英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語が決定していました。
ここにストレッチゴールで、1.62Mで中国語(簡体字、繁体字)、2.5Mで韓国語、2.925Mでブラジルポルトガル語、3.075Mでロシア語版の追加が決まりました。
ゲームソフトの翻訳作業は、よほど世界的な大企業なら別でしょうが、通常は専門企業が請け負います。その為の費用はもちろんかかりますが、ゲームの開発スタッフの作業量が直接増えるわけではありません。

バッカー数も多く、販売数が見込める英語や日本語版などに対し、ロシア語版などが高額なストレッチゴール達成で決定したのはそのあたりもきちんと考慮された上なのだと思われます。

ミニゲーム追加の理由

1.25Mで料理、1.95Mで釣り、2.35Mでベーゴマ、2.85Mで貿易、2.95Mでレース、3.025Mでレースがエッグホースレースにグレードアップ、3.325Mで農場、3.6Mでカードバトル、3.8Mで劇場のミニゲーム追加が決定しました。
実質的には8つでしょうか。
これは多いよなあと感じますよね、確かにw

ただ、ストレッチゴール達成による特典としてミニゲームが多数追加されるのには、それなりに理由があるのです。

まず前提として。
ゲームソフトの開発というのは、開発スタッフ数を2倍に増やしても、開発スピードは2倍にはなりません。人件費は2倍になるのに!です。
というのは、ゲームソフトという1つの作品を大人数で作る以上、各スタッフの仕事の割り振りや事前の打ち合わせなど、開発規模が大きくなればなるほど手間が増えるんですね。
特に今、日本ではリモートワークが推奨されており、広いオフィスで大人数集まって作業するのは現実的に不可能ですから、今までのゲーム開発以上に「分業体制」が大事になってきます。

以上を頭に入れた上で図を見てください。
追加作業
50万ドルのミニマムゴールを達成した時点で想定されたボリュームが左側の「30時間分のゲーム本編」と考えてください。
なお、この「30時間」というのは私が仮に想定してものですので、公式には一切関係ありませんのでお間違いないようにお願いいたします。

これに、多数のストレッチゴールを達成して開発資金が増えたことで、内容を追加しようとした場合。
ゲーム開発やITなどに縁があまり無い方は、60時間分のゲームソフトを作るのも、30時間の本編+30時間くらい遊べるようにミニゲームいっぱい作るのも、同じ約60時間分のゲーム作るんだから同じでしょ、とお思いになるかも知れません。
しかし、違うのです。
先ほど挙げた、分業です。

プレイ時間30時間予定だったゲームソフトを60時間分に増やそうとすると、たとえ予算が増えても開発時間はかなり伸びます、現実的に。
しかし、30時間分のゲーム本編とミニゲーム、という形であれば、もちろん伸びる可能性はありますがw、本編を倍にするときほどではありません。
お金さえあれば。
というのは、分業ができるからです。

ミニゲーム1つ1つを別々の小規模の開発チームに分業することもできるし、なんなら別の開発会社に発注することも可能です。
ゲーム本編をバラバラの会社で開発したりすると、打ち合わせに余計な手間もかかるし連絡の不手際でバグとか起きるし(!!!)、あまりいいことありません。
しかしミニゲーム単体を丸々1つであれば、日本にはスマホアプリなどでそういった小規模なゲーム開発に慣れている開発会社はたくさんありますから、ミニゲーム1はA社、ミニゲーム2はB社…と、複数のチームや企業で分業して平行作業で開発することが割と容易に可能なわけです。
平行作業ができれば、開発期間が倍に伸びる心配は…もちろんちょっとはありますがw、本編の規模そのものを大きくしたときほどではありません。

ストレッチゴールで増えた要素にミニゲームが多いのは、そういったことを考慮した結果であると考えられるのです。

ゲーム本編要素で増えたもの

とはいえ、ゲームそのものでもストレッチゴールで増えたものは多数あります。
10人の仲間にできる英雄追加の他に、0.75M城塞街モード、1.7Mギルドシステム、2.7Mパーティー会話、2.8Mサイキック探偵、3M温泉、3.425M一騎打ちシステム、4.25M英雄モード…。結構ありますね?!

城塞町モードについては、当然75万ドルは突破するつもりで計画していたのだとは思いますが。
ただ、パーティー会話、サイキック探偵、温泉については、システム的な作業はあまりなくて、純粋にテキスト量がドカッと増えるやつですね。110人分ですからねー…。

村山氏をトップとするテキスト担当開発スタッフさん、頑張ってください!

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