バッカーの人数も23,000人を超えています。
平日である28日火曜日の深夜1時から始まったキャンペーンですので、中には「クラファンとかKickstarterとかやったことないから、週末にちゃんと調べてみようかな」という予定の方もいらっしゃるかと思います。
私もそういう方の為に画像入りの参加方法解説ページを作り、最近は主にTwitterで百英雄伝について見てみたりしているのですが。
Photo by Bram Naus on Unsplash |
たまに見かけるんです、「もう2億円も集まってるらしいし、今あんまりお金出せないし、一番安い4,000円の申し込んでダウンロード版ソフト貰っちゃうのってむしろ迷惑なんじゃ…」「今から安いの申し込むのはなんか申し訳ない気がする…」「目標金額の4倍以上になってるし、これ以上集まると逆に困るのでは」といった内容のツイート。
そんなわけないじゃないですか!
お金が集まり過ぎて困るとか、ないですって!
手作り民芸品などのKickstarterであれば確かに、制作可能な数をオーバーしちゃって困るなんてことがあるかも知れませんが、ゲームソフトやサントラCDは工場で大量生産ですからね! 特典のフィギュアなどはちゃんと最初から15口とかの個数限定で募集されていますし。
それに、特にダウンロード版のリワードであればダウンロードコードやデータをネットで送るだけです。現物の製作費も送料もかかりません。
もし本当にあまり大金集まると困るという何らかの事情があるなら、最初からキャンペーン期間1ヶ月間も取らないでしょう、そもそも。
短い期間でバッと盛り上げて終わりにせず、1ヶ月間継続させるのは、今はもうネットやゲーマーコミュニティにはあまり来ていない、かつて幻想水滸伝ファンだった方々にも情報が届いて参加が間に合うように、余裕をもって設定したのだろうと思うんです。
「もう目標金額超えてるから、今更少額増えても…」というのも、そんなことないです絶対。もっと増えて欲しいから2億円超えてもちゃーんと「次の目標金額と特典」が設定されているんですってw
それに、百英雄伝のKickstarterのページに書いてあるように、今回のキャンペーンはかつて同じKickstarterで「ブラッドステインド」を大成功させた五十嵐氏から助言を受けて計画されているわけですが、こちらは最終的に約6億円集めてますから。
スタッフのTwitterを見ると、当初の予想以上のスピードで最低目標をクリアして大喜びしている様子がひしひしと伝わってきますが、しかしもっと高い金額集めた経験者のアドバイザーがついているのですから、そんな心配は無用ではないかと。
それに、単純に開発予算が増えるという以外にも、少しでも金額が増えたほうがいい理由があるんです。
Kickstarterで資金を募る理由
権利と契約
最大の理由は、開発者インタビューで明かされています。「幻想水滸伝」シリーズのクリエイターによる新作JRPG『百英雄伝』特別インタビュー
- IGN Japan――ところで、今回はKickstarterをやることになったきっかけについて教えて下さい。百英雄伝KickstarterのFAQページにも、こう書いてあります。
村山:プロジェクトのスタート地点が「本当に面白いものをしがらみなく作りたいよね」ということだったので、自分たちでちゃんとゲームの権利を持てる仕組みにしたいと思いました。そして、Kickstarterで多くのファンの力を借りてそれを始動するという選択肢を選びました。しがらみなく面白いものを作りたいので、みなさんの力を借ります、ということになります。
I don’t have a lot of faith in Kickstarter. Why should I back another one?管理者による大雑把な訳:
By backing this Kickstarter, you’re empowering the creators, allowing them to own their IP, something they haven’t been able to do in the 30 years they’ve worked in the game industry. You’ll also receive all DLC for free, and you will get the game before it releases in the retail channel.
Finally, besides being someone helping to make our dreams come true, you’ll be able to participate in a wide variety of polls and surveys throughout the campaign that will shape the future of the game.
We look forward to you joining us on this campaign.
私はKickstarterをあまり信用できません。なぜ他では駄目なんですか?
今回のKickstarterで支援することで、あなたは彼ら開発者たちがゲーム業界で30年間働き続けても得られなかった、自分たちのIP (訳注:IPは知的財産のこと。この場合はゲームタイトルやそのシリーズの権利) を自分たちで持つ権利を与えることができます。また、あなたは全てのDLCを無料で得られ、そして一般販売される前にゲームを入手できます。
最後に、私たちの夢を実現する手助けをしていただくだけでなく、あなたはこのキャンペーンを通して、ゲームの最終的な方針を決める様々な投票や調査に参加することができます。
私たちはあなたがこのキャンペーンに参加してくださるのをお待ちしています。
今回のKickstarterで支援することで、あなたは彼ら開発者たちがゲーム業界で30年間働き続けても得られなかった、自分たちのIP (訳注:IPは知的財産のこと。この場合はゲームタイトルやそのシリーズの権利) を自分たちで持つ権利を与えることができます。また、あなたは全てのDLCを無料で得られ、そして一般販売される前にゲームを入手できます。
最後に、私たちの夢を実現する手助けをしていただくだけでなく、あなたはこのキャンペーンを通して、ゲームの最終的な方針を決める様々な投票や調査に参加することができます。
私たちはあなたがこのキャンペーンに参加してくださるのをお待ちしています。
「開発者たちがゲーム業界で30年間働き続けても得られなかった」って言葉が重いですよね…。
そしてキャンペーンページの本文にもこうあります。
Why Kickstarter?パブリッシャーとは、発売元のことです。開発会社はデベロッパーと呼ばれます。
最も大切な質問のひとつに、「なぜKickstarterを選んだのか?」というものがあると思います。それについてお答え出来ればと思います。
クラウドファンディングで一番重要なことは、それが開発者にとっては通例、ゲームプロジェクトに対する投資を得るための唯一の手段であることです。
私たちのケースでも、パブリッシャーと話しをした際に、コンセプト自体は面白いものの、果たして自信を持ってピクセルアートベースのプロジェクトを推し進められるのか、について疑問がつきまといました。そのため、実際にこのコンセプトがファンに受け入れられるのかの証明を得る必要が生じました。
私たちがバッカーの皆様からのご協力が必要なのも、これが理由となります。
例を挙げると、ドラクエ8と9はパブリッシャーがスクエニ、デベロッパーがレベルファイブですね。
百英雄伝は、元幻想水滸伝の開発スタッフが今年3月ごろに新会社「Rabbit & Bear Studios」を都内に設立して開発中です。PC版だけの発売であればSteamを通して日本の小さいデベロッパーが直に世界中に販売することも可能ですが、Kickstarterで100万ドル集めて家庭用ゲーム機版の発売が決定した以上、どこか海外の販売網を持っているパブリッシャーと提携する必要があります。
これを読むと、どうやら候補のパブリッシャーが既にあり、話し合いが行われているようですね。
「証明を得る必要」ということなので、2種類考えられますね。
つまり1社に対して「より開発側に良い条件(権利を自分たちで持つ)で契約する為に証明する必要」か、もしくは「候補企業が複数あり、より良いパブリッシャーとの契約成立の為に証明が必要」なのか。
いずれにしろ、Kickstarterで高い金額が集まれば、パブリッシャーと有利な契約を結ぶチャンスが高まるということです。単純に開発費が潤沢になる、というだけではないんですね。
宣伝効果
そしてもう1つの理由が、Kickstarterで高い金額を集めたこと自体が宣伝になる、ということです。今、ゲームで遊んでいる人たちの多くはあまりテレビを観ません。億単位のお金をかけて全国ネットでCMを打っても、効果は期待できません。(TV関係のお仕事されている方ごめんなさい)
ネット広告も正直微妙です。ゲーム好きな方はネットリテラシー高い方が多いですから、広告バナーなんてクリックしないし動画広告も正直、目がすべって全然見てません、私自身も。
そんなゲーマー層にアピールするには、Kickstarterで大成功するなどしてネットニュースになるのが効果的なんです。
特に今回は新規タイトルですから、少しでもタイトル名の露出を増やしたいですからね。
公式がソーシャルメディアチャレンジでTwitterやインスタのフォローを求めてくるのもその一環です。宣伝が難しい時代なので…。
ゲームに限らず、日本中の企業の広報担当者が「何をすればうちの会社のツイートがバズるか」と日々頭を悩ませているわけで。
以上のような理由から、「少額だけ申し込んでも迷惑かなあ」なんて考える必要はぜんっぜんないわけです。百英雄伝Kickstarterの参加者が1人増えるだけでも意味があるのですから。
そして「#百英雄伝」のハッシュタグつけて「バッカーになりました」とツイートしたり、公式インスタにコメントしたりするだけで、おおいに宣伝に協力したことになるのですよ。
小さな力がたくさん集まって、大きな力になるのですから!
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